こんにちは、棍レグおじさんです。
今回の考察のテーマは武闘家の130スキル無念無想です。
棍レグ民にとってはお馴染みの特技ですが、みなさん使っていますか?
前回の記事で棍レグ戦における消費MPについて考察を深めていたところ無念無想の仕様に疑問が生まれましたので今回時間をかけて検証をしてみることにしました。
よって、確率系の調査である故、細かい数字の話が長く続きますので、大きな文字や色がついた箇所を中心に読み進めていただけると退屈しないかと思います。
結論だけ見たい方は、実用的な考察のまとめを「4.実戦に向けた考察」の項に記載していますので、そこを見るだけでも良いと思います。
1.無念無想の基本仕様
まず公式本での無念無想の説明を見てみましょう。
「自分のMPを最大値の26~38%回復させる。きようさが一定値以上になると回復量が多くなる」
と記載があります。
そして、MP回復量に影響与えるものとして光宝珠に「無念無想の奇跡」があります。
効果は「無念無想の回復量がLv1毎に2%増える」(飾り石は+1%)です。
普段から棍レグ戦において、本特技を多用している身の調査前の体感としてはMP300付近でMP回復量は100前後になることが多く、多い場合でも120ぐらいという印象でした。
基本の回復量(26~38%)に宝珠10%(Lv5状態)が単純に加算されたと仮定すると最大48%の回復量となりますがそれほどの回復は目にしたことがありませんでした。
きようさが低いのか、宝珠効果の加算方法が違うのか、疑問はそこから始まりました。
2.最大値と最低値の法則
今回の調査は、異なる24パターンの条件(異なる最大MP、きようさ、宝珠Lvの組み合わせ)毎に50回ずつ無念無想を行い回復量を記録するという地道な検証を行いました。
記録を取った無念無想の回数はのべ1200回(24パターン×50回ずつ)です。
下記表がその条件の一覧です。
調査を進めていると、各パターンの回復量の最大値と最小値に共通した傾向がはっきりと現れました。
最大MPと宝珠Lvが同じモデルのもの(きようさのみ異なる)を塊として表を分け、最大値と最小値の結果を次の表にまとめました。
上記表が示すように同じ最大MPと宝珠Lvであれば、きようさの値が変わっても最大値と最小値が全く同じであることが分かりました。
今回の調査ではきようさ275~641の範囲で調査していますが全てのパターンにおいて、その法則があてはまっています。
つまり、きようさは回復量の最大値や最小値の結果に影響を与えない、ということが明らかになりました。
275~641の範囲外の(極端に低かったり高かったりする)きようさで傾向が変わる可能性は否定できませんが、現環境における一般的なきようさ値の範囲としては外れることは無さそうですので、条件付きではありますが前述の通り結論づけています。
では、各パターンの最大値と最小値がどうやって計算されるのかというと最大MPに対する割合を見ることで、傾向が見えてきました。
分かりやすい例として、宝珠無しの条件で取得したサンプルの最大値と最小値を最大MPに対する比率に直して見てみることにします。
宝珠をつけていない14パターン全ての最大値と最小値がそれぞれ38%と26%前後になりました。
※38.0%、26.0%と綺麗な数字にならないのは、端数計算の都合(最大MPの38.0%ちょうどになる整数値があるとは限らないため)と考えられます
この結果は公式本記載の仕様通りの結果です。
そして気になる宝珠をつけた場合の実測値は以下の通りです。
最小値:28.44~28.51%
最大値:41.62~41.77%
■宝珠Lv5+飾り(11%)の場合
最小値:28.74%
最大値:41.92%
明らかに宝珠無しの時とは異なる比率になりましたが値は上記の通り収束しています。
ただし、宝珠Lv5状態(説明では回復量10%UP)を宝珠無しの状態と比較しても、最小値が26⇒28.5%、最大値が38⇒42%前後に変化するだけで、宝珠効果の10%前後の差がありません。
このことから宝珠の効果は単純な加算でないことが分かります。
こういうときは
これDQ10計算式の鉄則。
ということで26~38%に対して宝珠の10%をかけあわせて実測値と比較してみると…
26(最小値の基礎)×1.1(宝珠10%)=28.6(実測値:28.44~28.51)
38(最大値の基礎)×1.1(宝珠10%)=41.8(実測値:41.62~41.77)
■宝珠Lv5+飾り(11%)の場合
26(最小値の基礎)×1.11(宝珠11%)=28.86(実測値:28.74)
38(最大値の基礎)×1.11(宝珠11%)=42.18(実測値:41.92)
見事な近似。完璧すぎワロタ。
よって、宝珠Lv毎の回復量(率)をまとめると以下のようになります。
自分の宝珠Lvの回復率を横軸に見て、その下の数字が無念無想の回復MPを決定する際に用いられる係数となります。
回復量にはばらつきがありますので縦軸の範囲でブレがあると思ってください。
宝珠無しの場合は0%(背景黄色)の列、宝珠Lv5+飾りの場合は11%(背景ピンク)の列をご参照ください。
最大MPに表内の係数をかけあわせると回復MPが算出されます。
計算結果には端数が出ますが、全て小数点以下の端数を切り捨てをすると実測値と完全一致しました。
表4のパーセント表示だと回復量が実感しづらいと思いますので最大MPが300の時に回復量がどうなるのか、パーセントを実際のMP回復量に置き換えたものを例として次の表に示します。
※小数点以下の端数は処理した形で表示しています
最大MP300の場合、上記の表内にある数字のどれかが必ず選択されることになります。
ちなみに、宝珠11%のとき(ピンク列)の最小値は86、最大値は126となりますが、その範囲内であっても、表内にない87や125といった数字は回復値として選択されることはありません。
これは26~38%の1%刻みの13段階で回復率テーブルが構築されているようなイメージです。
無念無想でMP回復をする際によく同じ数字を見ることが多いとは思っていましたが、これは同じMPと宝珠という条件であれば13パターンしか回復値が存在しないからです(納得!)。
最大値 = 最大MP × (0.38 × (1 + 宝珠回復量)
※計算結果の小数点以下は切り捨て
※宝珠回復量・・・Lv1につき0.02、Lv5の場合0.1、Lv5+飾りの場合0.11)
■計算例 ~最大MP300、宝珠Lv5+飾り(11%)の場合~
・最小値 = 300×(0.26×(1+0.11))= 86.58 ⇒ 端数切り捨てで86
・最大値 = 300×(0.38×(1+0.11))= 126.54 ⇒ 端数切り捨てで126
3.MP回復量ときようさの関係
次は、きようさがどのように回復量に関わってくるのかの考察です。
最大値と最小値がきようさに依存しないことが分かったため、ここからの調査は宝珠Lvを固定した状態できようさのみ変えて検証するのが一番でしょう。
前述の調査の傾向から、きようさは、定められた範囲の中での平均値を底上げするものだと想像はついています。
ここで取得したデータをきようさと平均値に焦点を当てて、結果をみてみます。
宝珠無し・きようさ500以下のパターンにおいて、平均値が32.0%付近に収束していることがわかります。
この32%という数字。
基本回復量の26~38%の中央値にあたります。
綺麗に結果に出たので、一定のきようさ値までは平均値は32%に収束、平均値が32%を超えてくるあたりがきようさに依存するラインではないかと想像できます。
では今度は宝珠をつけた場合ですが、最小値と最大値が底上げされている影響できようさが低いものについても平均値は32%ではなく、もっと高い数値になっています。
これまでの傾向から先ほど紹介した表4の中央値(宝珠10%なら35.20%、宝珠11%なら35.52%)がその平均値になると予想(以後、これを推測平均値として扱います)。
上記、宝珠の補正も加味したうえで、推測平均値(以下、推測値)と実測平均値(以下、実測値)にどの程度差があるのかを見てみます。
全体的に推測値と実測値が近い値になっており、数字の傾向としては間違いなさそうです。
推測値と実測値にズレが生じる要因には、計算過程の端数処理が影響していることも考えられます(※)。
精度をあげるために計算過程で端数処理されている値を処理前の数値に戻して、実測平均値を再計算をしてみました(補正平均値と表現)。
※推測値(≒システム上の設定値)は端数のまま内部計算されていて、実測値は端数処理後の切り捨て値で計算しているので少し低くなる
結果、推測値と実測値がさらに近くなりました。
この結果を使って本題のきようさに依存してくるラインの考察を行います。
次の表は、表8をきようさ順に並び替えたものです。
誤差が青字になっているものは推測平均値よりも実測平均値(補正平均値)が高くなっているパターンです。
つまり、きようさの影響により平均値が底上げされている可能性を示します。
500を超えるあたりから実測の平均が少しずつあがっているため、誤差青字(平均より上)のサンプルが増えます。
よって、500~530の間ぐらいにラインがあるのではないかと予想します。
ただし、きようさ567以上の7サンプルにおいても平均値を下回っているサンプルが3つあり、上回っているものについても1%を超えるような上昇量もないため、目に見えて結果に出るほどの上昇量はないことが読み取れます。
今回の50回ずつ取得したサンプルであっても、宝珠有無だけで実測平均値を比較した場合、3%程度の差(宝珠無し:32%、宝珠Lv5:35%)が結果として、はっきり出ていたことから推察するに、少なくとも500~640ぐらいまでのきようさ変化では、宝珠ほど明確な影響は無く、回復量に大きな変化はないと言えます。
きようさ上昇による実測値の上昇量は1%未満ですが、仮に1%程度上昇することがあったとして考えてみます。
1%の上昇をMPの回復量に換算すると、一度の回復で平均3程度回復量が増すという結果になります。
よって、平均3程度の差であれば、きようさ値による上昇量は、現環境において実用的な観点からは、無視しても良いレベルといえるでしょう。
きようさ依存の設定は良いとしても、ここまで依存しない結果になるとは、個人的には少し残念な結果でした。
4.実戦に向けた考察
仕様がほぼ判明したところで、最大MP別にどのくらいの回復量になるのか、いくつかのサンプルを提示します。
※宝珠有りはLv5+飾りの数値で計算したものを掲載
実用的に参考になる結果だけ見たい人はこの項だけ見れば十分です!(たぶん)
■最大MP350の場合のMP回復量
【宝珠有り場合】101~147、平均値:124
【宝珠無し場合】91~133、平均値:112
■最大MP325の場合のMP回復量
【宝珠有り場合】93~137、平均値:115
【宝珠無し場合】84~123、平均値:104
■最大MP300の場合のMP回復量
【宝珠有り場合】86~126、平均値:106
【宝珠無し場合】78~114、平均値:96
■最大MP275の場合のMP回復量
【宝珠有り場合】79~115、平均値:97
【宝珠無し場合】71~104、平均値:88
■最大MP250の場合のMP回復量
【宝珠有り場合】72~105、平均値:88
【宝珠無し場合】65~95、平均値:80
MPを盛って350にし、さらに宝珠Lv5+飾りの状態にすると、回復幅は101~147となり、なんと最小値が100を超えます!
平均値は124です。
ちなみに最小値100を達成できる最大MPのラインは347です。
MP盛り盛りが可能な方は
私の無想に2桁の数字は無い
などと言って、全力でドヤッってOKです(責任は取りませんが)。
MP250で宝珠無しの場合、回復量は65~95となり、盛り盛りの場合と比較するとかなりの開きになります。
これは何を意味するのか。
そもそも最大MPの差が100ある上に1回の無念無想の回復量の差の開きも加味すると、1回MP回復した時点でMP135~150程、MPに開きが生まれることになります。
けんじゃの聖水2回分ですよ!?
これでもアナタはMPを削りますか?
消費MP500の戦闘があったとして、消費腕をつければMP盛りであれば無念無想1回で、ほぼ確実に完走が可能です。
対して、MP盛り無し宝珠なしの場合、3回は回復が必要です。
戦闘時間が伸びて無念無想の回数が増えれば増えるほどその差は開きます。
MP350はなかなか手が届かない方も多いと思いますが、MP300程度であれば手軽に届かせることが可能です。
禁断のMPはHPを犠牲にするので諦めたとしても、頭MP30、カード15、炎MP宝珠25~30あたりで調整すればMP330程度は達成可能です。
↓MP盛り装備の作り方についてはコチラの過去記事でも紹介しています
棍レグの二人討伐を例に取れば、半分は自タゲの時間となるのでMPが減ってきてるのに気づいてからすぐに回復できないことも多く、MPの回復効率を考えるのも安定討伐の助けになることは間違いないでしょう。
日課的に棍レグをするような方は他を犠牲にしない範囲でMP盛りすることを強くお勧めします。
1200サンプルでは全然足りず、少なくともその10倍以上のサンプルでの調査が必要になるのではないかと予想します。
全職エルフの飲み薬がいつでも使えるようなシステムとなっている都合上、武闘家の固有スキルである無念無想という特技はマイナーなMP回復手段の域を出ません。
それでも無念無想という特技について、私なりにとことん向き合うことができて非常に楽しい考察となりました。
記事の内容に疑問・間違い等ありましたら、遠慮なくご指摘ください!
それではまた次の考察で会いましょう。